生命の美を提供するということ
~ 自分が楽しむを超え、作品として美しい花の鉢植えを創作し提供するために ~

■ 作品を “育てる(維持管理)を教授” で提供 に至った経緯
イベントで必ず「うまく育てられない。どうしたら数ケ月もの間、こんなに バランス・勢いよく育て、美しさを保ち 花を咲かせることができるんですか」と質問されます。
そう、多くの方が維持管理ができない・難しい…という理由で敬遠・やめてしまったのではないでしょうか?
生命の芸術の宿命・最大のネック。しかし実はその最大のネックにこそ、生きる花の芸術を手にする意味・最大の感動・喜び・楽しさ・効用があるのです。そう、ネックを楽しみ・喜びに変えてあげればいいのです。
私はただ美しく創るだけでなく、最重要は「お客様の元に作品が渡ってから素敵な体験をして頂くこと」と考え『育てる「花を綺麗に咲かせる&美しさを長期間表現・保つ」ための「土台となる花生育環境創り(土・肥料等配合)」と「日々の維持管理」』に試行錯誤し精力的に取組んでいます。
自分だけでは到底たどり着けない・他では体験できない・それまで体験したことのない花の美しさ・魅力をお魅せする・体感して頂くことが私の役割、作家として世に存在する意義、私の作品を手にする意味・価値と考えます
■ 道程 葛藤 「作品だけ創って売れればそれでいいのか?」
~ 育てる芸術の美しさ・喜びを届けたい ~
「生命の芸術をなんとか必要最低限の管理で長期に渡り 堪能して頂けないか」
今まで売ってほしいと言われてもすべてお断りしてきました…。
生命の芸術を提供するためには「ただデザインして, はい売りますよ」というわけにはいかないのです。そんな無責任なこと私にはできません。
作品を手渡した後、何の知識もなく美しさを保ち育てられますか? それでは花が内に秘めた魅力の半分も引き出せず普通以下の体験で終わりを迎えてしまいます。「あなたが買ったんだ、その後は知らないよ」とシラをきるなんて私にはできません…、維持管理の難しさを自ら経験しているのですから…
鉢花を相手に本質を掴むためには、常に真剣勝負で向合い 神経を隅々まで張り巡らせ 毎日厳しいチェックをしなければならないのです。花は常に成長し同じ状態はありません。ちょっとした鉢内配合&環境・自然条件の変化で 花は敏感・繊細に反応します。最悪枯れてしまうという 厳しい現実を突き付けられます。直撃弾ですよ、鉢植えは…
■ 本質を掴むために 「花にとって最高の環境を実現させたい」
創作時には毎回必ず何かしら試し,効果を検証 してきました。特に12月後半~2月末までの寒い時期にどう花を咲かせるか。
多い時で20鉢以上を同時に育て,1鉢あたり10苗前後 使い創作するので 200種類の花を、神経を集中させて 指を差しスーッとなぞっていきます。するとズレや違和感があると“んっ”と指先が触れるんですよ 。
「季節・月ごとに、成長の度合いと根幹の美 に寸分の狂いがないか 毎日向き合いチェック」するのです。言い換えると「苗セレクト時の形状・状態と植えた時の美感・植え方、花種毎の土や肥料の配合量・構成、日々の水やり等管理に間違いがなかったかの確認」⇒ データーの蓄積
根のある花は根が下に付いていて土に植えなければなりませんから、 自分の思い描くデザインを形にするために 好きな位置で茎を切って形作ったり、豪勢に盛ったり、成長しダメだったからと後でいじって調整できないわけです。1つだけ刈込んだりすると他の花とのバランスが悪くなりフォルムが乱れます。
できるだけそのままの状態で 花がら摘みだけですべての苗をバランス良く保ちたいわけです ⇒ 全体がバランス良く育つことが私の特徴
そんな大変な思いをして実感を伴い やっと掴んだ情報を活かせるのは来年の同時期であり自然条件は毎年変わるという過酷さです。生命で表現する芸術美は厳しさがないと実現できないのです。
そうした「真剣勝負の毎日を繰り返しやっと提供できるのではないか 」=「良い環境・状態で花を保つ」=「季節や置く場所の環境に合わせ鉢内配合調整、日々の管理、何かあった時に原因を理解し対応できる」と思えるようになりました。自分の中にこうしたコアがないと心から提供できません、私は。
教室ばかりで「作家として、花鉢植え作品を創作・提供しているのは私だけ」です。それ程 最強難度なのです。
私が創作した作品は「美的にも管理面でもその両方において最高級」とする根拠です
